2019/12/8

電通事件のその後1

電通事件をご存知でしょうか。

2015年(平成27年)12月25日、電通の新入社員の当時24歳の女性が電通の社員寮から飛び降り自殺過労自殺)した。2015年4月の入社後、デジタル・アカウント部に配属され、インターネット広告を担当していたが、本採用後の10月以降に仕事量が急増。遺族側弁護士の推計によると、1ヶ月の時間外労働は約130時間に達し、過労死ラインといわれる80時間を大幅に越えていた。電通は労使協定で決められた残業時間を越えないよう、勤務時間を過少申告するよう指示していたとみられる。女性社員個人のツイッターには過労だけでなく、パワーハラスメントセクシャルハラスメントの被害を伺わせる書き込みがされていた。

2016年(平成28年)9月30日三田労働基準監督署はこの社員が自殺したのは長時間労働によりうつ病を発症したのが原因と判断し、労働災害(労災)を認定した。

2016年12月28日、社員に違法な長時間労働をさせた上、勤務時間を過小に申告させたとして、東京労働局は法人としての電通と自殺した女性社員の当時の上司を、労働基準法違反の疑いで東京地方検察庁書類送検した 

2017年7月6日、社員に違法な残業をさせていたとして、法人としての電通が略式起訴され、一連の捜査は終結した。過労死した女性社員の当時の上司は刑事責任を問われず、不起訴処分(起訴猶予)となった。

しかし、7月12日東京簡易裁判所が、書面審理だけで量刑を決める略式命令を出すのは「不相当」と判断し、正式な刑事裁判を開廷することを決定したため、電通の刑事責任が公開の法廷で問われることになった。電通本社が労働組合と交わしていた、残業時間を月に50時間までなどと定めた労使協定(三六協定)が、組合員が従業員の過半数を下回っていた事を理由に、協定無効だったことも明らかになった。  

2017年10月6日に、東京簡易裁判所は「違法な長時間労働が常態化し、サービス残業が蔓延していた」とし、電通に対して労働基準法違反により罰金50万円の支払いを命じる判決を下した。電通は控訴期限日まで控訴せず、10月20日に罰金刑が確定判決となった。

あの自殺から4年が経ちました。この事件は、国が進めている「働き改革」のきっかけになった事件といっていいでしょう。

今年から始まった時間外の上限規制などは過労死をなくすためのものとなっています。

しかしながら、その電通でまた社員の違法残業や36協定の違法な延長などが労働基準監督署から今年9月に是正勧告を受けていたことがわかった。

これほど働き方改革が叫ばれるいるなか、大企業がまだこんな状態なのか思います。

企業として反省したのでなかったのでしょうか。